お知らせ
多文化理解講座「世界をのぞけば…」フランスにおける「多文化共生」を実施しました
この講座は昨年度まで、山形県内で活躍する外国出身の方等を講師に迎え、諸外国の文化を学ぶ講座としておりましたが、この度リニューアルし、有識者から国際関係の講演をいただく形となりました。今年度は2回の開催を予定しています。
1回目は5月14日(土)に、山形大学から人文社会科学部教授の中島宏(なかしま ひろし)先生をお迎えし、フランスにおける「多文化共生」についてのお話をいただきました。
■内容
・日本では:国籍取得の要件、在留外国人の要件、在留外国人の総数
・多文化共生の「かたち」:多文化主義・共和主義
・フランスの状況:移民系フランス人、移民系に対する差別、イスラム・スカーフに対するイメージ
・相次ぐ禁止立法とその審議:イスラム・スカーフ禁止法、ブルカ禁止法、テロの発生とさらなる禁止立法、ブルカ着用者の実態、フランス国籍取得拒否事件、ブルカ着用の政治問題化、フランス議会での審議、フランス憲法院 ブルカ禁止法「合憲」判決、ヨーロッパ人権裁判所 ブルカ禁止法「条約適合」判決
・ブルカ禁止に賛成の立場・反対の立場
・労働法大改正、ブルカ着用をめぐる事件とその判決
・フランスの「統合型」共生社会
■参加者の感想をいくつかご紹介いたします。
・ 多文化共生に並列型、統合型の2つがあることを知り、また、どちらの面にもうまくいかない面があると分かり、これからの日本でどう対応していけばよいか考える材料になりました。おもしろかったです。
・ とても興味深く聞きました。なかなか根深い問題だと改めて思いました。
・ 移民問題への対策待ったなしの印象
・ 多文化共生で自国の文化を守ること、他国の文化を受け入れることの線引きがとても難しく、どちらかが譲ることをしなくてはならないと思いました。
・ 大学の講座のような充実した内容で大満足です。「ブルカ」をキーワードに「多文化共生」を考えることができました。先生の仏滞在時の経験談なども楽しく興味がわきました。ありがとうございました。
フランスの「多文化共生」を基に、地域における国際化について考える良い機会となりました。中島先生、貴重なお話をありがとうございました。